中世イスラムの文化

概略

特徴

 イスラム教以前の文明とイスラム教(アラビア)の文明が融合文明。イスラム教を核とした普遍的文明

大翻訳時代、11世紀から13世紀の十字軍の時代。アラビア語文献をラテン語に翻訳。スペインのトレドが中心。12世紀ルネサンスにつながる。

社会と文明

 都市には、 宗教施設(モスク)、大学(マドラサ)、市場(スーク、バザール)が建設された。イスラム帝国の時代にはこれらの都市を結ぶ交通網が整備された。

 これらの施設は、カリフとスルタンが建設した。またこの俊樹の維持費は、都市の人々寄進によって維持された。この鬼神のことをワフクという。

 8世紀半ばのタラス河畔の戦いで製紙法が伝わる。13世紀にヨーロッパにも製紙法が伝わる。

 10世紀、神秘主義(スーフィズム)が盛んになる。スーフィズムとは、形式的な信仰を排して神(アッラー)との一体感を求める考えである。都市の職人や農民に広まった。

 12世紀になると、神秘主義教団が結成。スーフィズムは各地の布教された。スーフィズムは各地の風習を取り入れて広まった。

 イスラム文化は、都市の人々と神秘主義者がに支えた。

学問と文化

 学院(マドラサ)では、2つのことが研究されていた。一つ目は公用語であるアラビア語の教育である。2つ目は、法学・神学である。イスラム教は、コーランの教えに基づいて法律が形成される。そのため、当時の法学と神学は一心同体であった。

 また、イスラム教の学問の特性は、排他的ではないところにあった。キリスト教は、異教徒の学問を禁止していた。しかし、イスラム教ではそれは禁止されていなかった。

 その特徴の一つが歴史学の存在である。イスラム世界ではイスラム成立前の歴史研究が積極的に行われていた。9世紀から10世紀のタバリーの『預言者たちと諸王の歴史』や14世紀のイブン=ハルドゥーン『世界史序説』はその代表例である。

 古代ギリシャや古代インドの研究も積極的に行われた。9世紀のバグダードの「知恵の館」では、多くのギリシャ語やサンスクリット語(古代インド)の文献がアラビア語に翻訳された。

 アラビア数字では、古代インドで生まれたゼロの概念が使われた。また、古代ギリシャの哲学は、のちの神秘主義思想におおきな影響を与えた。当時の哲学者としては、11世紀のイブン=シーナと12世紀のイブン=ルシュドが有名である。

 このほかに、各地の古代文学をまとめた『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)や、旅行家イブン=バットゥーダ『三大陸周遊記』などがある。

 芸術面では。ミニチュアール(細密画)が多く作られた。