2000年代、日本では小泉純一郎政権の時代である。
インドは、核保有国になって孤立していた。しかし、01年アフガン戦争によって情勢が大きく変化した。アメリカとの関係が改善するとともに、中国との関係も親密になった。
経済では、アメリカとの関係性が改善したことで高度成長が続いている。政治面では、国民会議派が政権を奪還。シン首相が誕生した。
外交 アフガニスタン攻撃でアメリカとの関係改善
2000年代初頭、インドとアメリカの関係はよくなかった。1998年に核実験を行ったためである。
しかし、2001年、9・11テロが発生。アメリカはアフガニスタンを攻撃した。
その拠点に選ばれたのがインドとパキスタンであった。
これを機に、経済制裁が解除された。
07年11月には、アメリカと原子力協定を締結。核保有国のため核拡散防止条約によって外国技術を使って原子力発電所を建設することができなかった。この協定によって、インドはアメリカの技術を使って原子力発電所を建設することが可能になった。
しかし、08年11月には、イスラム過激派によるムンバイ同時多発テロが発生。
外交 対話路線と中国との軍事同盟
インド人民党政権は、パキスタンとの対話路線を進めていた。04年、政権交代がおこりシン首相政権が誕生しても、この対話路線は継続された。05年には、中国とロシアの軍事同盟、上海協力機構にオブザーバーとして参加。パキスタンも同時にオブザーバー参加している。
経済 IT産業を中心に経済成長
アメリカとの経済制裁が解除され、IT産業を中心に経済成長が進んだ。
1997年のアジア通貨危機の影響も受けず、01年には、アメリカの投資銀行ゴールドマン・サックスがレポートで上げた「BRICs」の一角としてインドを挙げた。
その結果、インドに外国資本が流入した。
政治 シン首相、国民会議派が政権の奪還
04年、国民会議派が政権を奪還した。国民会議派は、シク教徒のシン首相を指名した。シン首相は、高度成長期に支えられて高支持率を維持していた。
ちなみに、シク教徒がインドの首相になるのは初めてである。シク教とは、16世紀にヒンドゥー教の改革運動で発生した宗教である。一神教で偶像崇拝の否定を行う点では、イスラム教の影響を受けている。また、カースト制度を否定している。また、頭にターバンを巻くのが特徴で、シン首相もターバンを巻いていた。