2010年代の中国 習近平体制と米中冷戦

最強の習近平体制

3つの中国トップ

 中国の権力者には3つの役職がある。1つ目は、中華人民共和国のトップである国家主席である。この地位は大統領に相当する。2つ目は、中国共産党のトップである書記長である。これは与党のトップを意味する。3つ目は、軍のトップである中央軍事委員会主席である。

 習近平国家主席は、この3つの地位を独占した。これは毛沢東国家主席である。これが習近平国家主席の権力の象徴である。

任期の延長

 国家主席は、国家のトップであるが、憲法上は儀礼的な権限しかない。行政のトップは、国家主席が指名する首相が担う。国家主席はこの人事権をつうじて行政を動かす。

 では、国家主席はどのように選出されるのであろうか。全国人民代表大会(全人代)で選出される。全国人民代表大会は、国会に当たる組織である。法律だけでなく、日本と違い憲法を改正ができる。3000人前後の議員で、年1回開催される。

 ただ、ほとんどの法律は、200人弱の全人代常務委員会で決定される。任期は5年である。

 国家主席は、

反腐敗運動

 では、習近平国家主席はここまで権力集中を強めていったのであろうか。その答えが反腐敗運動である。

 2000年代、経済は成長した。一方で、格差も拡大した。そのため、政治汚職が問題になっていた。習近平氏が国家主席になると、汚職に関与した高級官僚を失脚させた。その中には前政権の中心的人物も多く含まれていた。

 習近平国家主席は、「反腐敗運動」によって、国民の指示を集めるとともに、政敵を排除した。これにより、習近平氏の一極集中が進んだ。

 ここからは、個人的に見解になるが、2020年代の日本に類似傾向が見られる。安倍政権は、アベノミクスで景気を回復する一方で格差も拡大させた、安倍政権の末期には、森友加けさん

経済 世界第2位のGDP

トランプ大統領との貿易戦争

外交 米中冷戦

一帯一路構想

香港への規制

 習近平国家主席は、それまで続いていた改革開放路線を交代させた。

 香港には、「一国二制度」

尖閣諸島問題