概要
日本各地で古墳が作られている。この時代になると古墳は巨大化し、世界最大級の王墓、大阪府の大仙古墳もこの時代に作られた。この時代には天皇を中心としたヤマト政権が成立している。ヤマト政権は、血縁関係で作られたグループの集合体であった。その血縁関係のグループを氏（うじ）という。現在の名字の起源である。当時の天皇は、大王（おおきみ）と呼ばれ、絶対的な権力はまだなく、ヤマト政権は地方豪族の連合政権であった。当時はまだ人事制度がないため、人事は世襲で行われていた。（日本で人事評価制度が7世紀聖徳太子時代の官位十二階からである。）
当時の中国は、南北に分裂していた。このころから日本は、朝貢を再開し、南朝に使いを送った。当時の北朝は、戦乱が続いていたほか高句麗があった関係で従来の朝鮮半島経由のルートで中国へ行くことができず、東シナ海を海路で渡っていた。
5世紀の人事制度 氏姓制度
筆記試験や面接試験がなかった時代。日本はどのように官僚を採用していたのだろうか。
豪族は、血縁関係で結ばれていた集団（いわゆる親戚の集まり）を形成。その集団ごとに職務を分担していた。
氏（うじ）▶ 血縁関係で結ばれた豪族の集団
姓（かばね）▶ 氏ごとにあたえられた職域。姓は大王（のちの天皇）が氏に与えていた。
主な姓には以下のものがある。
| 主な豪族 | ||
| 臣（おみ） | 畿内の地名を氏とした有力豪族 | 蘇我氏（そが）、葛城氏（かつらぎ）、平群氏（へぐり） |
| 連（むらじ） | 職業を氏とした有力豪族 | 大伴氏（おおとも）、物部氏（もののべ） |
| 君（きみ） | 地方の有力豪族 | |
| 値（あたい） | 地方の豪族 |
5世紀の農業制度 豪族による農村運営
豪族は、独自に土地と人民を集め、彼らの納めた税金で生活していた。天皇（おおきみ）も、日本全国から税金を取っていたのではなく、天皇の直轄地から税金を取って生活をしていた。
- 田荘（たどころ） 豪族の私有地
- 部曲（かきべ） 豪族の支配を受けていた人々
- 屯倉（みあけ） ヤマト政権（天皇）の直轄地
- 名代（なしろ）・子代（こしろ） ヤマト政権（天皇）の直接支配を受けていた人々