2010年代のドイツ メルケル首相とシリア難民

メルケル首相

 ドイツのトップはメルケル首相である。メルケル首相はキリスト教民主同盟(CDU)の政治家である。05年から首相を務めている。

ドイツの政治システム

 ドイツは、大統領と首相が存在する半大統領制の国である。ただ、大統領はあくまで名誉職で、実権は首相が握っている。首相も大統領も議会で選出される。

キリスト教民主同盟

 ドイツは多くの政党が存在し、基本的には連立政権の形をとっている。主要な政党は、現在与党のキリスト教民主同盟(CDU)と野党のドイツ社会民主党(SPD)である。キリスト教民主同盟は、中道右派で日本でいう自民党に近い政党である。一方、ドイツ社会民主党は、中道左派の政党で日本でいう民主党に近い政党である。

メルケル首相への批判

シリア難民問題

 メルケル首相は、2つの点で批判を浴びている。その1つが難民移民の問題である。メルケル首相は、積極的に難民を受け入れる姿勢を示していた。とくに、10年代に入り、シリア内戦が深刻化すると難民の流入は加速した。

 難民の流入は、低所得者層の職を奪っていった。それに伴い、難民流入の反対運動が起きていた。16年、ケルンで集団性的暴行事件が発生。この反対運動は加速した。

 

ギリシャへの緊縮財政要求

 もう一つの批判が、ギリシャへの緊縮財政要求である。メルケル首相は、ヨーロッパ各国に緊縮財政を要求している。とくにギリシャ救済の条件に緊縮財政を要求している。

 この件については、ピケティなど多くの経済学者から批判を浴びている。

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