紀元前4世紀以前の東南アジア ドンソン文化とベトナムの始まり

復習 紀元前3世紀の東南アジア

 紀元前3世紀、中国歴代王朝に征服される前、2つの漢人国家が成立した。

紀元前4世紀の国際情勢

 紀元前4世紀(紀元前400年〜301年)、アレキサンダー大王の時代である。

 アレキサンダー大王は、インドまで遠征。これにより、インド最初の王朝であるマウリア朝が成立する。

ベトナムの建国神話

ベトナム5千年の歴史

 ベトナムでは、ヴァンラン国が紀元前2879年に成立したとされている。これは、1919年に書かれた『ベトナム史略』に記載されている。

ドンソン文化

北ベトナムのドンソン文化

 東南アジアでは、紀元前2000年頃から水稲耕作が始まっている。当時の中心地はベトナムからタイの北東部にかけての地域であった。青銅など金属の加工が始まったのもこのことである。その中心は、北ベトナムのドンソン文化である。

 ドンソンは、ベトナム北部にある遺跡である。紀元前5世紀の遺跡と言われている。青銅器を利用している。その代表例では、銅鼓(どうこ)という青銅を用いた楽器がある。

 紀元前4世紀に入ると、中国から鉄製農具が流入。これによりドンソンを中心にベトナム北部は発展していった。

南ベトナムのサーフィン文化

 金属を使用した文化は、紀元前5世紀に南シナ海一体に広がった。代表例は、南ベトナムのサーフィン文化である。この地域では、農耕と漁業で生活をしていた。青銅やガラス、貝を用いた装飾品が発見されている。

 同じような装飾品が、タイ、カンボジア、フィリピンや台湾でも発見されている。ここから、南シナ海を通じた船による交流があったものと推測される。