紀元前3世紀以前の 朝鮮半島 建国神話と朝鮮の始まり

前回の復習
紀元前2世紀の朝鮮半島

 紀元前2世紀の朝鮮半島は、衛氏朝鮮の時代である。衛氏朝鮮は、秦王朝の衰退期に建国。漢王朝が成立すると、朝貢を行った。しかし、2世紀後半に漢王朝の武帝に敗れ、衛氏朝鮮は滅亡。以後、漢四郡が置かれ、漢王朝が直接支配するようになった。

 今回は、衛氏朝鮮が成立する前の時代を見ていきます。

朝鮮の由来

 朝鮮は、鮮やかな朝を示している。そのため、古代の漢民族は東の国を朝鮮と呼んだ。そのため、漢民族が征服する前の国名はすべて朝鮮と呼ばれれいてる。

 朝鮮と似た言葉で韓国という言葉がある。韓が使われだしたのは漢王朝以降のことである。当時は、朝鮮半島南部に住む人々をさす言葉であった。

 以後、朝鮮は中国に近い平壌周辺を指す言葉、韓は、朝鮮半島南部を指す言葉になった。

 14世紀末、韓民族の李成敬が建国すると、明王朝に国号を相談した。明王朝は、北方の元王朝から独立した国である。そのため、北方に支配される前の漢王朝時代を重視した。そのため、漢王朝時代の呼び名、朝鮮を国号に進めた。

 19世紀末、朝鮮は清王朝から独立した。その時の国号は、漢民族の言葉を捨て、朝鮮半島の南部を指す言葉、韓を用いて大韓帝国とした。

 20世紀半ば、日本から独立し南北2つの国に分かれた。北は、明王朝時代の朝鮮を用いて朝鮮民主主義人民共和国とした。これは背後に中華人民共和国があることを示している。

 一方南部は、日本が用いた言葉、韓を用いて大韓民国とした。

箕子朝鮮

 箕子(きし)一族は、もともと中国の殷王朝に使えていた。しかし、暴君の紂王の時に、王を諫めたことで疎んじられた。そのために、朝鮮へ飛ばされた。殷王朝が滅び、周王朝が建国されると、箕子一族は朝鮮王に封じされた。

檀君神話

 檀君神話とは、13世紀の高麗の時代に書かれた書物にあった朝鮮の建国神話である。

 この神話では、虎と熊が神様に人間になりたいとお願いしたした。神様は虎と熊に試練を与えた。虎は挫折したが、熊はその試練に耐え抜いた。そして、熊は人間の女性になり、神様をまじわり、人間の子を産んだ。これが朝鮮王家の始まりとしている。

 この神話は、モンゴルと戦っていた13世紀に書かれた書物で、この建国神話は朝鮮国民を奮い立たせた。

考古学としての朝鮮半島史

 最後に考古学的な朝鮮の始まりを見ていく。紀元前4000年頃に幾何学模様の丸底の土器の使用が始まる。紀元前2000年頃、農耕が始まる。紀元前1000年頃から青銅器の使用が始まる。紀元前500年頃から鉄器を使い始める。