新科目 歴史総合とは?

 こんにちは、sekaishiotakuです。遅ればせながら、進級、進学、就職をなされた皆さん。おめでとうございます。新生活が良いものになることを祈念しております。

歴史総合が始まりました。

 この4月から、新科目「歴史総合」が始まりました。3回に分けて、歴史総合の科目を見ていきます。

 歴史総合の特徴は2点です。

  • 世界史と日本史を結びつけて勉強する。
  • 近代(江戸時代中期以降、18世紀以降)〜現在までが対象になっている。

 今回の変更は、古代中世に対して近代以降の知識が乏しくなっている。日本の歴史について語れない若者が多いことが背景にあるとされている。

 現在の教科書との関係は以下の通りである。

  • (必修)歴史総合 ← (必修)世界史A + (選択)日本史A
  • (選択)世界史探求 ← (選択)世界史B
  • (選択)日本史探求 ← (選択)日本史B

 指導要領では、世界史と日本史を結びつけ学ぶこととされていますが、教科書では、世界史Aと日本史Aの教科書をミックスした内容で結びつきまでは、行っていないようです。

歴史総合の科目で求める能力

 指導要領では、歴史総合の目標が設定されています。各種入試はこの目標を意識した出題になると考えられます。

知識と技能

 目標1では、歴史に関する知識と技能について、設定されています。

 知識では、具体的な出来事などを通じて、歴史用語(大枠など)を理解することが求められています。今年の共通テストでは、日本がファシズム国家であるか否かについて、YESの視点とNOの視点でそれぞれ回答を求める問題が出ていました。

 技能としては、課題に対して、情報収集する能力、収集した情報分析する能力と分析した情報に基づいて解決策をまとめる能力が求められています。共通テストでは、教科書に記載のない内容を初見の資料から読み取って回答する問題が増えています。

思考力、判断力、表現力

  • 歴史的事象を多面的・多角的に考察する思考力
  • 課題を把握して、様々な立場や意見を踏まえて、解決する判断力
  • 自分の考えを論理的に説明する表現力
  • 史料などのを用いて、効果的に説明する表現力
  • 他者の主張を踏まえて、議論する表現力

グローバル人材の育成

 グローバル化により、日本について外国の人々に語る機会が多くなってきています。外国の方に日本の良さを知ってもらえる人材を育成することが目的になっています。しかし、外国の方への配慮もまた求められています。ヘイトスピーチのようなものも是正していかなければなりません。

大学入試への影響

 大学入試の変更は、3年後の2025年から変更される。共通テストを実施する大学入試センターは、すでに2025年度の試験科目とサンプル問題を公表している。

 試験科目は、社会科(地歴+公民)で6科目設置し、うち2科目まで受験することになる。必修のみと必修+選択科目になっている。

  1. 歴史総合+世界史探求
  2. 歴史総合+日本史探求
  3. 地理総合+地理探求
  4. 公共+倫理
  5. 公共+政治経済
  6. 歴史総合、地理総合、公共から2科目

 多くの国公立大学は、1〜3から1科目、4,5から1科目を指定してくると予想されます。

 世界史Bの共通テストは、歴史総合を意識した出題になっています。近現代に関する比重が高まり、日露戦争など日本史に関わる問題も数多く出題されています。

  次回は、歴史総合の中身を見ていきます。

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