1990年代の朝鮮半島 アジア通貨危機

韓国とアジア通貨危機

 80年代、韓国をはじめとしたアジア諸国は、急速な経済成長を果たした。この要因は、安い労働力と膨大な外国資本であった。韓国などのアジア諸国はドルペッグ制をとっており海外投資家にとって為替リスクがほとんどなかった。

 97年7月、著名な投資家ジョージ=ソロスが東南アジアのタイの通貨を大量に売った。これにより、タイは自国通貨を維持できなくなり通貨の切り下げを行った。この事件をきっかけに外国人投資家はアジア諸国から大量の資金引き上げをおこなった。これによりアジア諸国全体で金融危機が発生した。

 韓国は、国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれ、急速な不良債権の整理や銀行の再編が進んだ。

韓国で改革派政権

 90年代に入ると、かつても民主化のリーダーたちが大統領になった。92年には金泳三大統領、98年には金大中大統領が誕生した。

 金泳三大統領や金大中大統領は軍事政権時代の不正蓄財や人権抑圧を告発

北朝鮮、金正日体制

 北朝鮮では94年に金日成主席が亡くなり、金正日体制が成立した。97年、金正日は朝鮮労働党総書記に就任。98年、国防委員長に就任した。金正日は、先軍政治を展開した。先軍政治とは、軍事優先、金正日への個人崇拝、反米姿勢などがあげられる。この頃から核兵器の開発が始まった。

 これに対し、大韓民国は経済援助を行った。金大中大統領の太陽政策である。

韓国、北朝鮮が国際連合に加盟

 91年、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮が国際連合に加盟した。

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