9世紀のシリア・パレスチナ

前回の復習 10世紀のシリア・パレスチナ

 アッバース朝の勢いがなくなり、イスラム圏は分裂期に入る。3カリフ時代である。シリアも、ファーティマ朝エジプトの侵攻を受けた。

9世紀の国際情勢

 9世紀(801年ー900年)の日本は、平安時代。奈良時代の雰囲気が続いていた。最澄の天台宗、空海の真言宗など新仏教が始まる。9世紀末、遣唐使を廃止した。

 中国は、唐王朝の時代。安史の乱をきっかけに衰退期に入る。フランク王国が分裂。ドイツ、フランスと北イタリアが成立した。

アッバース朝とダマスカス

 9世紀初頭は、アッバース朝は全盛期を迎えていた。都はイラク(メソポタミア)のバグダードで、カリフはハールーン・アッラシードの時代である。

 都バグダードは、100万人近い人口に達した。一方でかつての都であったシリアのダマスカスは、衰退傾向になった。

 09年、ハールーン・アッラシードが没。これにより、アッバース朝の勢いがなくなり、カリフの権威が薄れていった。代わりに台頭したのが、地方総督であるアミールであった。

トゥールーン朝

 ハールーン・アッラシードが亡くなると、アッバース朝のカリフの権威が薄れていった。これにより、地方総督であるアミールの権威が高まっていった。

 68年、エジプトでトゥールーン朝が成立した。75年、トゥールーン朝がシリアを占領した。