内閣府特命大臣とは
内閣府に所属して特定のテーマを担当する大臣。主として内閣府の下の組織の長になることが多い。また、ほかの国務大臣が兼務することもある。
内閣府とは
内閣府は、省庁の一つで、複数の省庁にまたがる問題を調整する。トップは内閣総理大臣であるが、実務でのトップは、官房長官である。01年の橋本行革で誕生した。
必須の4閣僚
内閣特命担当大臣は、原則首相が自由に決められるが、法律で4つの特命大臣を置くことが決まっている。
沖縄及び北方対策担当
沖縄政策と北方領土問題を担当する大臣。
金融担当
00年に大蔵省から分離した金融機関の監督業務を行う大臣。現在は財務大臣が兼務することが多い。
消費者および食品安全担当
00年代から、牛肉のBSE問題などの食の安全に関する問題が表面化した。これを受けて、01年に食品安全担当をもうけた。
福田政権時に、消費者問題を担当する消費者問題担当大臣を設置した。これを担当したのが岸田氏である。主たる仕事が各省庁でバラバラになっている消費者問題の一元化である。
麻生政権時、消費者庁が設置。これに尽力したのが岸田氏とそれを引き継いだ野田氏であった。
少子化対策担当
07年の第一次安倍政権時に、初めて設置。当初は女性閣僚が就いていたが、のちに男性閣僚も付くようになった。15年に設置が義務化された。
その他の特命大臣
経済安全保障担当大臣
岸田内閣で初めて設置された大臣。それまでは経済財政政策担当大臣と呼ばれていた。
経済財政政策担当大臣は、経済財政諮問会議を運営する。この会議は、内閣の経済政策の方針を決める会議である。この会議は総理大臣を議長とし、閣僚としては、経済財政担当大臣のほかに、官房長官、財政大臣、総務大臣(地方財政、地方税)、経済産業大臣が参加。そのほかに日銀総裁と学者2名、実業家2名が参加する。
09年の民主党政権時に、これを閉じて国家戦略室を設置した。
12年の政権交代で安倍政権が成立すると、従来の形に戻した。
21年、岸田政権は、経済財政政策担当大臣を経済安全保障担当大臣に変えた。これは中国からの経済制裁に耐えられるようにするためである。経済政策に安全保障の概念を加えた。
男女共同参画担当
99年に成立した男女共同参画法に基づいて設置。現在は少子化担当大臣を兼務している野田氏が兼務している。
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