前回の復習 2000年代のスペイン
スペインは、EUの導入で外資が流入。低金利によって、不動産バブルが起きていた。
一方で、イラン戦争をきっかけ首都マドリードで列車爆破テロが発生。これにより、社会労働党政権が成立。イラン戦争から撤退した。
1990年代の国際情勢
89年のベルリンの壁崩壊を経て、国際情勢は一変した。東西ドイツは統一。ソ連が崩壊した。
90年代後半、今度は経済で問題が発生した。アジア通貨危機である。
バルセロナオリンピック
高度成長とバルセロナオリンピック
92年、スペインのバルセロナでオリンピックが開催された。当時のスペインは、外資の流入で高度成長期にあった。それを支えたのが、86年のEC加盟である。
バルセロナとは
バルセロナは、カタルーニャ自治州の州都である。カタルーニャ地方は、スペイン北東部の自治州で、地中海に面し、フランスとの国境の町である。
この地域は、フランスの影響が強く、独立志向が高い週であった。2010年代には住民投票で独立が決議された。
では、なぜ首都マドリードではなく、バルセロナでオリンピックが開催されたのであろうか。外国資本は、首都マドリードではなく、フランスに近いバルセロナに積極的にとうした。そのため、経済の中心はマドリードではなく、バルセロナになった。
次のオリンピック アトランタオリンピック
次の96年オリンピックは、100周年に当たるオリンピックである。記念大会なのでオリンピックの聖地アテネで行われるものと思われた。
しかし、大陸間の偏りと巨大な資本力を背景に、アメリカのアトランタで開催されることになった。
ポルトガル、マカオ返還
概要
04年3月11日、スペインのマドリードで列車爆破テロが行われた。当時の世界は、アメリカの9・11テロの直後でテロに対して過敏に反応がする状況にあった。
この原因は、03年3月に始まったイラク戦争への反対運動と言われている。国民党のアスナール首相は、非常任理事国としてイラク戦争に賛同していた。
バスク問題
バスク地方は、スペインの北部にある地域である。大西洋に面し、フランス国教沿いの地域である。バスク地方ではスペイン語ではなく、バスク語を話している。このバスク地方は、1950年代から独立運動が盛んになった。その一部が武装化した。
マドリード列車爆破テロが起こると、真っ先に疑われたのは、この武装集団であった。
政権交代
このテロは、総選挙の直前に起こった。このテロの影響でイラク戦争に賛成した国民党のアスナール首相に批判が集中した。小国民党は惨敗。政権交代が起こり、社会労働党のサバテロ政権が成立した。
サバテロ政権は、スペイン軍をイラク戦争から撤退させた。
スペインポルトガルの政治と経済
EC加盟で外資が流入
現在のイタリアの政策の論点は、EUか反EUかである。EU支持派は、主に富裕層であり、反EUは主に中間層や貧困層である。では、なぜ中間層は反EUに動いたのであろうか。
その理由の一つは、移民の問題である。00年以降、EUは東欧諸国に拡大した。これにより、東欧の出稼ぎ労働者が拡大した。これによって低所得者層の仕事を奪っていった。しかし、この影響を受けたのドイツなどの景気の良い国である。イタリアなどの景気の悪化のしている国は次の理由のほうが大きい。
ECからEUへ
通常、景気対策としては3つある。減税、公共事業と金融緩和である。02年に通貨統合が行われた。これにより、イタリアは金融緩和を自由に行えなくなった。さらに、EUは財政赤字に上限が設定されている。イタリアの財政赤字は、すでに上限に達している。そのため、景気が悪くても、増税や緊縮財政をとらざるを得ない状況であった。
民主党ら中道左派連合はこれを忠実に守ろうとした。一方で、五つの星運動は、これを破って財政出動して景気を良くしようとした。この政策によって、五つの星運動は、13年と18年の選挙で躍進した。
スペインの政治
スペインは、75年にフランコ将軍の独裁がおわり、民主化が始まる。その後、右派の国民党と左派の社会労働党の二大政党制が始まる。
85年、社会労働党政権が成立した。92年のバルセロナオリンピックが終わると好景気が一段落。同じ頃、バスク地方独立派によるテロが頻発。
ポルトガルの政治
ポルトガルは、75年のカーネーション革命で民主化が始まった。政党は右派（日本で言う自民党）の社会民主党と左派（日本で言う立憲民主党）の社会党による二大政党制である。
90年代に入ると、EC加盟景気が一段落。不況に入る。これにより政権交代が発生。左派の社会党政権が成立する。リスボン万博で景気が回復。左派政権による貧困対策で大きな支持を集めた。しかし、2000年代に入り、景気が悪化。右派の社会民主党政権が成立した。