1950年代の世界 第三世界の台頭

 50年代は、第三世界が台頭する時代である。その始まりは、朝鮮戦争である。建国したばかりの中華人民共和国(実際は義勇軍)は、アメリカに引き分けた。これにより、第三世界は勢いづいた。これが、60年のアフリカの年につながる。

国別地域別

後の時代 1960年代
キューバ危機とベトナム戦争

 60年のアフリカの年で、第三世界の台頭が明確になった。一方で、米ソ冷戦は深刻化した。キューバ危機である。これをきっかけに米ソの軍縮交渉に向かっていく。また、アジアでは、ベトナム戦争が勃発。

前の時代 1940年代後半
 国際連合設立と冷戦の始まり

 米英ソは、第二次世界大戦に勝利。米英ソを中心とした戦勝国は国際連合を発足させた。

 これにより、平和が訪れるものと思われたが、中欧のチェコスロヴァキアのクーデターをきっかけに冷戦が勃発した。さらに舞台は東アジアへ、中華人民共和国が成立した。

年代別後半

1960年 アフリカの年

 アフリカの年、アフリカ17国が独立を果たした。2月、フランス、核実験に成功。4カ国目の核保有国。4月、韓国で四月革命が発生。李承晩大統領が退陣。5月、ソ連がアメリカの偵察機を撃墜(U2型機事件)。同5月、イギリス、EECに対抗してEFTAを結成。6月、日米安保改定。同6月、コンゴ共和国がベルギーから独立。コンゴ動乱へ。12月、南ベトナムで南ベトナム解放機構を結成。ベトナム戦争へ向かう。

1959年 キューバ革命

 1月、中米のキューバで社会主義革命。3月、中国、チベット反乱。4月、中国、劉少奇国家主席。6月、ソ連は、中国から技術者を引き上げる。7月、中国、毛沢東批判。インドネシアでは、スカルノ=ナサコム体制。9月、米中首脳会談。中国、大躍進政策の失敗で大飢饉が発生。

1958年 ド=ゴール政権成立

 2月、アラブ連合共和国が成立。5月、毛沢東、大躍進政策。中東でレバノン暴動。

 7月、中国、人民公社を設立。7月、中東イラクでイラク革命。王政が停止し、共和国になる。8月、中国と台湾(中華民国)で武力衝突。10月、フランス第五共和政。(12月にド=ゴール政権が成立)。東南アジアのタイでクーデター。

1957年 人工衛星打ち上げ成功

 1月、教書演説でアイゼンハワー=ドクトリン。3月、アフリカでガーナ共和国が独立。ヨーロッパでは、EECとEURATOMを結成。

 8月、ソ連、大陸間弾道ミサイルを完成。東南アジアでは、マレーシアの前身であるマレー連邦がイギリスから独立。10月、ソ連、人工衛星(スプートニク)の打ち上げに成功。

1956年 スエズ戦争

 2月、ソ連のフルシチョフ書記長が「スターリン批判」を実施。4月、コミンフォルムを解散。6月、ポーランドで反ソ暴動。

 7月、エジプト、スエズ運河国有化宣言。10月、ナセル大統領のスエズ運河国有化宣言を受けて、第二次中東戦争が勃発。国際世論をうけて、アラブ諸国が勝利した。同じ、10月、東欧のハンガリーでも、反ソ暴動が起こる。日本は、中ソ共同宣言を発表。12月に国連に加盟する。

年代別前半

1955年 アジア・アフリカ会議

 4月、アジア・アフリカ会議(バンドン会議)。5月、西ドイツが、再軍備を開始。NATOに加盟。ソ連は、これに対抗してワルシャワ条約機構(軍事同盟)が成立。

 7月、ラッセル=アインシュタイン宣言。核廃絶を訴える。ドイツ問題でジュネーブ四巨頭会談が行われる。

 10月、中国は、新疆ウイグル自治区を成立させる。ベトナムでは、アメリカによって、南ベトナム(ベトナム共和国)が成立。11月、アメリカ陣営が中東で中東条約機構(METO)という軍事同盟を結成。12月、キング牧師を中心に公民権運動が起こる。

1954年 ジュネーブ条約

 3月、アメリカが水爆実験。日本の第五福竜丸が被爆。

 4月、インドシナ戦争と朝鮮戦争の講和会議であるジュネーブ会議を招集。5月、ジュネーブ講和会議の中で、周恩来・ネルー平和五原則を発表。インドシナ戦争では、ベトナムの優勢が明確化。(ディエンビエンフーの戦い)。アメリカ最高裁で、黒人分離政策の違憲判決。(公民権運動)6月、ソ連で世界初の原子力発電所が操業。

 7月、ジュネーブ条約でインドシナ戦争が終結。ベトナムがフランスから独立した。日本では、警察予備隊が自衛隊になる。9月、アメリカ陣営が東南アジアでSEATO(東南アジア条約機構)の軍事同盟を結成。中国は、憲法を制定。共産党の一党独裁を明確にする。

 10月、パリ協定で西ドイツが主権を回復。11月、アルジェリア独立戦争が始まる。12月、アメリカ議会が赤狩り(マッカーシー)の非難決議。アメリカは台湾と米華相互防衛条約を締結。台湾をめぐり、中国とアメリカの対立が激化していく。

1953年 スターリン死去

 1月、アメリカで、アイゼンハワー共和党大統領が誕生。教書演説で対ソ外交政策を封じ込め政策から巻き返し政策へ転換する。3月、ソ連でスターリン書記長が死去。

 6月、中国が5カ年計画を始める。エジプトは、エジプト革命を受けてエジプト共和国が成立。

 7月、朝鮮戦争休戦。8月、イランは、モデザク首相を逮捕。11月、東南アジアでは、インドシナ戦争の最中で、カンボジアが独立。

1952年 エジプト革命

 アメリカでは、赤狩り(マッカーシズム)が盛んになる。共産党関係者の弾圧。4月、日本は、台湾(中華民国)と日華平和条約を締結。7月、ナセルらがエジプト革命を成功。王政が停止し、共和国になる。10月、イギリスで核実験に成功。3国目の核保有国になる。

1951年 サンフランシスコ講和条約

 5月、イランが石油国有化を宣言。

 9月、サンフランシスコ講和会議。サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約(日米安保)が締結される。日本は、主権を回復した。

 10月、アメリカがMSA(相互安全保障法)を制定。イギリスでは、チャーチル政権が成立。

1950年 朝鮮戦争勃発

 1月、インド共和国がイギリスから独立。2月、中国がソ連と中ソ有効相互援助条約を締結。ソ連の技術者が中国に入る。

 5月、シューマン=プラン。6月、EUの前身であるヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)が成立。同6月、朝鮮戦争勃発。同6月、中国は土地改革法を制定。

 7月、日本は朝鮮戦争をうけて、自衛隊の前身である警察予備隊を結成。8月、インドネシア共和国が成立。9月、朝鮮戦争では、アメリカを中心とした国連軍が仁川(インチョン)に上陸。

 10月、朝鮮戦争では、中国が義勇軍を派遣。11月、国際連合が平和のための結集(緊急総会)。朝鮮戦争について話し合われる。