1880年代のアメリカ 共和党と民主党

1880年代、日本は大日本帝国憲法が発布された時代である。ヨーロッパでは、アフリカ分割にいそしんでいた。

この頃のアメリカは、二大政党制が確立された。民主党と共和党である。同じ頃、アメリカ労働総同盟(AFL)がせいりつした。また、この頃から移民問題が政治問題化した。

民主党と共和党

二大政党制の確立

 80年代、民主党と共和党が交互に大統領を出していた。80年の大統領選挙は共和党が勝利。ガーフィールドとアーサーが大統領を務めた。84年大統領選挙は民主党が勝利。クリーヴランドが大統領を務めた。88年大統領選挙は共和党が勝利。ハリソン大統領が誕生した。

共和党とは

 共和党の主な支持層は、北部の商工業者である。当時の貿易相手は「世界の工場」と呼ばれるイギリスである。そのため、補剛貿易政策をとってイギリス製工業品の輸入に規制をかけたかった。一方で、農産物価格を下げるためデフレ政策を進めた。

 共和党は、奴隷制度反対派が1854年に結党。60年代の南北戦争の勝利で党勢を強めた。

民主党とは

 民主党の支持層は、南部の農民である。イギリスの綿工業者向けに綿花を大量に販売するため、自由貿易政策を求めた。また、農産物価格を高く売るためインフレ政策を求めた。

 民主党は、1830年代にジャクソン大統領支持派が結成した政党である。60年代の南北戦争の敗北で多くの支持を失った。

 しかし、共和党が産業資本家向けの政策(高関税政策など)を進めると、南部の農民たちが民主党を支持するようになった。

共和党と民主党の比較

共和党民主党
北部の商工業者支持基盤南部の農民
保護貿易貿易政策自由貿易
デフレ政策
農産物価格を安く
金融政策インフレ政策
農産物価格を高く
規制緩和大企業規制強化

少数政党の乱立

 80年代、民主党と共和党の政策がかなり近くなっていた。それに対して不満を持つものもあらわれた。彼らは独自に政党を作るようになった。

 禁酒党や労働者政党、農民政党などが登場した。また、アメリカ労働総同盟(AFL)もこの時期設立した。

中国移民排斥法

 60年代の大陸横断鉄道建設によって、アメリカ西海岸に中国系移民が急増した。彼らは重要な労働力になった。しかし、70年代の不況で、中国人移民の排斥運動が起こった。82年、中国移民排斥法が成立。中国系労働者の入国を禁止した。

 中国移民排斥運動で本国へ戻った中国人はアメリカやキリスト教を嫌うようになった。これが反キリスト教運動(仇教運動)につながった。

 一方で、中国移民の代わりに流入したのが日本人移民であった。

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