1850年代の世界 クリミア戦争とペリー来航

1860年代  ドイツ統一と明治維新

 1860年代、日本は大政奉還が行われ、江戸時代から明治時代へ移行した。

 ヨーロッパでは、ドイツとイタリアが統一に向かって動いていた。

 アメリカでは、南北戦争が勃発。ヨーロッパ市場では綿花が高騰。イギリスはインドへ、ロシアは中央アジアへ向った。一方に、アメリカ主導で進んでいた日本の外交も、転換せざるを得なくなった。徳川幕府はフランスに、薩長はイギリスに支援を求めるようになった。

1840年代 48年革命とアヘン戦争

 1840年代、日本では水野忠邦が天保の改革を行っていたころである。清王朝(中国)はアヘン戦争でイギリスに敗北。イギリスの影響力はついに東アジアまで到達した。

 ヨーロッパでは、フランスで二月革命が発生。ヨーロッパ全体へ波及した。これが48年革命である。

各国の情勢は

年代別 後半

1860年 アロー戦争終結とリンカン大統領

 桜田門外の変で、大老井伊直弼が暗殺。

 清王朝は、天津条約の批准を拒否。英仏連合軍は北京へ侵攻。その後、イギリスとフランス、ロシアと北京条約を締結。ロシアは北京条約でウラジオストークを獲得。フランスは、西アフリカのセネガルを占領。

 アロー戦争に勝利したイギリス(パーマストン首相)とフランス(ナポレオン3世)は英仏通商条約を締結した。イタリアでは、ガリバルディがサルディーニャ王国に南イタリアを献上。イタリア王国が成立した。

 アメリカ大統領選挙では、民主党が分裂。共和党リンカン大統領勝利した。この大統領選をきっかけに南北戦争が勃発する。

1859年 イタリア統一戦争

 安政の大獄で、吉田松陰らが処刑される。

 エジプトは、フランスの支援を受けてスエズ運河の建設を開始する。

 バルカン半島でルーマニア公国が建国。イタリア(サルディーニャ王国)が未回収のイタリアを求めて、オーストリアへ侵攻した(イタリア統一戦争)。フランス(ナポレオン3世)はイタリアを支援した。イギリスでは、ホイッグ党と保守党ピール派が合流し、自由党を結成。パーマストンが首相に復帰した。

 このころ、イギリスの生物学者ダーウィンが『種の起源』を発表した。

1858年 ムガル帝国滅亡

 大老井伊直弼は、アロー戦争の結果を受けて日米修好通商条約を締結。安政の大獄で反対派を処分。

 アロー戦争は、英仏両軍が北京近郊の天津港の攻撃を開始すると休戦。清王朝は、ロシアとアイグン条約、英仏と天津条約を締結。フランス(ナポレオン3世)は、ベトナムへ侵攻。インドでは、インド大反乱でムガル帝国が滅亡。イギリス東インド会社が解散。イギリスの直接統治が始まる。

 メキシコでは、自由改革派と保守派による内戦が勃発した。 

1857年 ヨーロッパで大恐慌

 アロー戦争では広州を占領。広州総督がイギリス領インドへ連行された。アロー戦争中のフランス(ナポレオン3世)は、阮朝ベトナム(東南アジア)へ侵攻。インドではインド大反乱が発生。

 ヨーロッパで大恐慌が発生。これにより、パーマストン首相は失脚。保守党ダービー首相が誕生した。

1856年 クリミア戦争 →アロー戦争

 アメリカより、日本総領事ハリスが派遣される。

 英仏連合軍は清王朝へ侵攻(アロー戦争)。イラン(カジャール朝)は中央アジアのアフガニスタンへ侵攻。オスマン帝国は、「改革の勅令」を出す。

 パリ条約でクリミア戦争の講和が成立した。イギリス(パーマストン首相)とフランス(ナポレオン三世)は、矛先をロシアから清王朝へ移行した。

 56年アメリカ大統領選挙では、民主党ブキャナン氏が勝利した。

年代別 前半

1855年 イギリス パーマストン首相

 東南アジアのタイがイギリスに治外法権を認める(ボーリング条約)。

 ロシアではニコライ1世が亡くなり、アレクサンドル1世が即位。イギリスでは、パーマストンが首相になる。フランスではナポレオン3世がパリ万国博覧会を開催。

1854年 アメリカ共和党結成

 日米和親条約を締結。タイは、新王朝への朝貢を停止。

 英領南アフリカでは、ブール人がオレンジ自由国を建国。

 アメリカでは、カンザスネブラスカ法を成立。奴隷制度反対派は共和党を結成した。

1853年 クリミア戦争勃発

 アメリカからペリーが、ロシアからプチャーチンが来航。

 清王朝では、太平天国軍が南京を占領。

 ヨーロッパではクリミア戦争が勃発

1852年 フランス皇帝ナポレオン3世即位

 清王朝では、太平天国軍と戦うため、漢人官僚の曽国藩が湘軍を編成。52年第二次ビルマ戦争が勃発。

 ロシアは、イラン北部のヘラートを占領。

 イタリア(サルディーニャ王国)ではカブール首相が誕生。フランスではナポレオン3世が皇帝に即位した。

 アメリカでは、奴隷制度反対運動が活発化した。アメリカ大統領選挙では、ホイッグ党が分裂。民主党ピアス大統領が勝利した。

1851年 ロンドン万国博覧会

 清王朝南部で、太平天国の乱が発生。タイ王国では、ラーマ4世が即位。

 ロシアでは、首都サンクトペテルブルクとモスクワ間の鉄道が開通。ロンドンでは万国博覧会を開催。フランスでは、ルイ=ナポレオンのクーデターが発生した。

 アメリカでは、ストゥ夫人にが南部の黒人奴隷の生活を描いた『アンクルトムの小屋』を発表。

1850年 カリフォルニアは自由州に

 カリフォルニアが自由州として、連邦に加入。ホイッグ党フィルモア大統領は、奴隷逃亡取締法を制定。奴隷制度反対運動が始まった。

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