1860年代の世界 南北戦争とドイツ統一

1860年代、東アジアでは、アロー戦争に敗北した清王朝は、英仏両軍の支援で太平天国の乱を鎮圧。英仏に頭が上がらない状態になっていた。一方、日本では、大政奉還で明治新政府が成立した。

 ヨーロッパでは、イギリスのパーマストン首相とフランスのナポレオン3世が良好な関係を築いていた。一方で、ドイツとイタリアが統一された。

国別地域別の歴史

後の時代 1870年代ベルリン会議とバルカン問題

 普仏戦争のナポレオン3世が失脚。かわりに、ドイツ帝国のビルマルクがヨーロッパ外交を取り仕切るようになった。そのような中、露土戦争が勃発。バルカン半島で英露が対立。ビスマルクは、これを収まるためにベルリン会議を開催した。

前の時代 1850年代クリミア戦争とペリー来航

 東アジアでは、清王朝がアヘン戦争で敗北。日本はこれに動揺し、開国に踏み切った。

 ヨーロッパでは、バルカン問題で英露が対立。クリミア戦争が勃発した。同じ頃、太平洋岸のカリフォルニアに進出したアメリカは、日本へペリーを派遣した。

 クリミア戦争に勝利した英仏両軍は、清王朝へ進軍した。アロー戦争である。

年代別 後半

1870年 普仏戦争勃発

 ロシアは、黒海中立宣言を破棄。フランス皇帝ナポレオン3世、普仏戦争で捕虜になり、廃位される。フランスでは、臨時政府が成立し講和する。イタリアは、普仏戦争でローマ教皇領を併合。イギリスでは、教育法、アイルランド土地法成立。

 アメリカ、スタンダード石油会社が設立。

1869年 スエズ運河完成

 日本で版籍奉還。

 フランス、エジプトのスエズ運河を完成。チュニジアが財政破綻。

 ドイツでは、社会民主労働党が成立。このころ、スペインの王位継承問題で、フランス(ナポレオン3世)とドイツ(ビスマルク)が対立。イギリスのグラッドストン首相が仲介に入るも決裂。グラッドストン首相は、アイルランド国教会を廃止。

 アメリカで大陸横断鉄道完成。

 ロシア人科学者メンデレフが元素周期律を発見。

1868年 自由党グラッドストン内閣

 イギリス、第2回選挙法改正後の初の選挙で自由党が保守党を破る。保守党ディズレーリー首相が退陣。自由党グラッドストン内閣が成立。

 キューバで反乱。アメリカ大統領選挙では、南北戦争の英雄共和党のグラント将軍が勝利。

 ロシア人作家トルストイ『戦争と平和』。フランスの鉄道建設の現場からクロマニヨン人の化石が発見される。

1867年 明治新政府樹立

 大政奉還で、明治新政府が成立。イギリス(英領インド)は、東南アジア(マレーシア)の海峡植民地を直轄地化

 イギリス領南アフリカで、ダイヤモンド鉱山を発見。

 プロイセン、普墺戦争に勝利して北ドイツ連邦を結成。一方、普墺戦争に敗北したオーストリアは、オーストリア=ハンガリー帝国へ。ナポレオン3世がパリで万国博覧会を開催。ナポレオン3世、ルクセンブルク大公国買収失敗。永世中立国として独立。このころから、フランスは不況になる。イギリス、第2回選挙法改正。保守党は、都市労働者に選挙権を拡大。

 カナダ自治領成立。フランス、メキシコから撤兵。メキシコ皇帝は帰国を拒否。

 ドイツ人マルクス『資本論』

1866年 普墺戦争が勃発

 朝鮮では、カトリックの大弾圧。

 普墺戦争勃発。イタリアは、普墺戦争でヴェネツィアを併合。

 ロシア、アメリカにアラスカを売却。大西洋横断海底電線敷設。

 ロシア人作家ドストエフスキー『罪と罰』

1865年 リンカン大統領暗殺

 ロシア、中央アジアのタジケントを占領。

 イタリア王国、トリノからフィレンツェへ遷都。

 アメリカ、南北戦争終結。リンカンが暗殺。民主党ジョンソン大統領誕生。

 オーストリア人科学者メンデルが遺伝の法則を発見。

年代別前半

1864年

 四国連合艦隊、長州藩(山口)を攻撃。清王朝では、太平天国の乱が終結。

 プロイセン・オーストリア連合軍がデンマークへ侵攻(デンマーク戦争)。クリミア戦争を受けて、ジュネーブで赤十字条約が成立。フランスでは、労働組合が合法化。ロンドンで社会主義勢力第1次インターナショナル。

 アメリカは、南北戦争で混乱していた。その混乱に乗じて、ナポレオン3世、オーストリア皇帝の弟をメキシコ皇帝に。

1863年 奴隷解放宣言

 生麦事件を受けて、イギリスが薩摩藩(鹿児島)を攻撃。朝鮮では、大院君が摂政となる。フランスは、カンボジアを保護国化。

 ロシア領ポーランドで反乱。ロンドンに地下鉄ができる。

 リンカン大統領、南北戦争中に奴隷解放宣言。ゲティスバーグの戦い。ナポレオン3世のメキシコ出兵では、メキシコシティ陥落。

1862年 ビスマルク首相

 日本では、薩摩藩藩士がイギリス人を殺害。国際問題に発展する(生麦事件)。清王朝では、洋務運動を始める。一方で、太平天国の乱の鎮圧のため、漢人官僚の李鴻章が淮軍を結成。アメリカ、イギリスは常勝軍を結成。

 プロイセン王ヴィルヘルム1世が、ビスマルクを首相に指名。

 共和党リンカン大統領、西部の支援を得るため、ホームステッド法を制定。

 ロシア人作家トゥルゲーネフ『父と子』、フランス人作家ユーゴー『レ・ミゼラブル』

1861年 南北戦争勃発

 ロシアで、農奴解放宣言。プロイセン、ヴィルヘルム1世が国王に即位。オーストリアは憲法発布。イタリア王国が成立。

 アメリカでは、リンカン大統領への反発から南北戦争が勃発。この混乱期に、ナポレオン3世(フランス)は、メキシコ出兵。

1860年 北京条約(アロー戦争)

 日本では、桜田門外の変で大老井伊直弼が暗殺。清王朝は、アロー戦争に敗北し、イギリス・フランス・ロシアと北京条約を締結。

 アロー戦争に勝利したパーマストン首相とフランスのナポレオン3世が英仏通商条約を締結。

 アメリカ、共和党リンカン大統領勝利。

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