古代

 古代は、四大文明の成立から二大帝国(漢王朝とローマ帝国)の興亡を見ていく。地域としては、2つの地域に区分して、山川の教科書では、西アジア・ヨーロッパとそれ以外の地域に分けてみています。

 この時代は、6世紀以前の時代である。日本史でいえば、古墳時代までの歴史で、聖徳太子が登場以前の歴史である。

古代の論点

いくつもの「世界」

 現在は、世界は一体化している。しかし、古代の人々にとってそれぞれの国が「世界」であった。そのため、地域ごとに全く違う「世界」が形成されていった。古代の勉強をしていくうえで重要な点は、このいくつもの「世界」の違いを見ていくことである。

気候と歴史

 古代の経済の中心は、農業である。そのため、当時の世界は自然環境の影響を色濃く受けた。洪水の多いオリエントや中国では大規模な治水工事を行うので、早期に中央集権国家が形成された。一方で、農業に不適なギリシャでは、産業の中心は交易であった。そのため、都市国家群の時代が長く続いた。

巨大帝国の成立過程

 世界各地で農業・牧畜が行われると、人々は集団生活を行うようになった。この過程で成立したのが四大文明である。農業生産量が多くなると貯蓄が始まる。貯蓄した農産物を守るため人々は国を形成していった。当初は、町程度の国家(都市国家)であったものが、領域国家になっていき、ローマ帝国や漢王朝などの巨大国家が成立した。

宗教の成立

 文明が始まった当初は、自給自足が限界であった。しかし、農業生産性が向上していくことで農民以外の人々も登場した。当時は娯楽がない時代、人々は宗教や思想の世界に入った。

 この宗教も、気候の影響を受けた。農業が中心のエジプトやメソポタミアでは、天候と宗教が結び付けられて神権政治が行われた。一方で、交易都市であったギリシャでは、政治と宗教はは分かれていた。

 世界的宗教となった仏教やキリスト教が誕生したのも古代である。これらの宗教は、既存の宗教に抵抗する形で誕生した。

 宗教は、時の政権の抵抗勢力として迫害されることもあった。しかし、一方で宗教は時の政権を維持するためにもつかわれた。ローマ帝国は、キリスト教を国教化し、唐王朝は、儒学を用いた科挙で官僚を選抜した。

教科書の流れ

西アジアとヨーロッパ

 最初に、西アジアとヨーロッパの歴史を見ていきます。この地域の対部分は、ローマ帝国の支配下に入った。

 四大文明では、メソポタミア文明とエジプト文明を扱う。西アジアは、最初、都市国家が形成。その後、西アジアを統一した王朝が2つ(アッシリア帝国、アケメネス朝イラン)が成立。その後、ギリシャ(アレキサンダー大王)に征服。最後は、イランローマ帝国に分割統治された。

中国前半とそれ以外の地域

 ここでは、ヨーロッパと西アジア以外の古代の歴史を見ていきます。具体的には、インド、東南アジア、中国(東アジア)、そして南北アメリカの歴史を見ていきます。

 ここでは四大文明の残りの2つであるインダス文明と中国文明を取り扱う。

中国後半と騎馬民族

 ここでは、漢王朝滅亡後の東アジアの歴史を見ていきます。三国志から始まる魏晋南北朝時代を経て、隋唐王朝の時代までを見ていきます。

 この時代は、モンゴル・中央アジアの騎馬民族の影響を色濃く受けていた。

時代区分

二大帝国の衰退から封建社会へ

二大帝国の時代

四大文明から二大帝国の成立まで